ベックマンフラットボックスのスペックとディテールを紹介
今回は"ブーツなぴーちきち"のブーツな回です。
ご紹介するのは、ずっと書きたくてしょうがなかったのですが、あれよあれよと後回しになってしまった、
レッドウィングの
ベックマン フラットボックスです。
わたくしは、レッドウィングのフェザーストーンという革を使用したベックマンの大ファンだったのですが、2022年にベックマンシリーズは廃盤となりガッカリしていたところ、なんとベックマンがフラットボックスという仕様になって帰ってくるというのを耳にしました。
そして発売が開始されるやいなや、すぐさま完売してしまい、その後は予約待ち...
今のご時世、またいつ廃盤になるかも分からないので、これは予約せねばと某日レッドウィングの大阪店に訪れてみると、なんと奇跡的に二足だけ入荷があり、しかもわたくしのジャストサイズのUS9が!

これは運命だぁ!と、連れて帰る事を大前提に興奮しながら試着w

ヘソクリを使い果たし、無事購入に至りましたw
それでは、ベックマン フラットボックスを見ていきましょう。

いや〜なんともエレガントな佇まいです。
これはワークブーツというよりもドレスシューズに近い印象ですね。
○フロント

鈍く光を放つ黒いアッパーの表情と、革の断裁面の茶色が差し色になっており、とても精悍で引き締まって見えます。
使用されている革は、昔のレッドウィングのレザーを再現した"ブラッククロンダイク"という革で"茶芯レザー"とも言われています。
茶色い銀面(革の表面)の上から、黒い顔料によって塗装が施されており、履きこむ事で発生する傷や擦れに伴い、表面の黒い塗装が色落ちし、下地の茶色いレザーが現れる特徴を持っています。
なのでクローンダイクは、
エイジングが非常に楽しみでもあります。
ラスト(木型)は8番で、以前に紹介したアイアンレンジャーやブラックスミス等、ラウンドトゥのブーツに多く採用されています。
○バック

バックステイは、踵からシャフトの上部まで一枚の革で構成されており、スッキリとシンプルな佇まいです。
○サイド

サイドもスッキリとしており、ステッチはやや薄い小豆色と濃いコゲ茶色の2トーン仕様となっています。
バックステイの茶芯が、チラッと見えているのもそそられますw
そして、なんと言ってもフラットボックスの特徴はトゥ部分(爪先)です。

通常革靴には、爪先部分に先芯と呼ばれる補強材が入っている事が多いのですが、フラットボックスには先芯が入っていません。
なのでトゥ部分は、こんもりとした厚みがなく、薄くスッキリとしている事から、フラットボックスという名称が付けられています。
指で爪先をつまむとペコペコとヘコみます。

先芯が入っているベックマン#9011(写真上)と、先芯のないフラットボックス#9060(写真下)を並べてみました。
#9011はぽってりしているのに対して#9066はシャープな印象ですね。
○シューレース

シューレースは、蝋引きされた平紐となっています。
ワックス処理された平紐は、非常に解けにくくエレガントで使い込むほどに味がでますが、使い始めは硬く扱いにくいのと、通常のシューレースよりも切れやすいのが難点です。

紐を通す部分は、下4箇所がハトメ、上部3箇所はスピードフックになっています。
スピードフック仕様だと脱ぎ履きがしやすいので嬉しいですね。
ハトメ及びスピードフックの金具部分は、コゲ茶色に塗装されており、こちらも経年変化によるエイジングが楽しみな仕様となっています。
○アウトソール

アウトソールは、グロコードメダリオンソールを採用しています。
グロコードソールの特徴は、紐の切れ端を合成ゴムに練り込んでグリップ力を向上させています。
ソールの中央部分は、旧ベックマン同様にヌメ革仕様です。

そして特筆すべきは、レッドウィングには珍しくミッドソールがないシングルソール仕様となっていて、これは柔らかなソールの反りを実現し、履き心地の良さを高めています。
○インソール

中底はヌメ革で、ヌメ革の下はコルク層になっており、履き込めば履きこむほどにコルクがオーナーの足の形に沈んでいき、唯一無二の抜群のフィット感を実現します。
と言いつつ私はインナーソールを入れる派ですw
○サイズ感

購入したサイズですが、いつもと同じようにレッドウィング純正の薄いタイプの
インナーソール#96317を入れる前提で、US9を購入しました。(ワイズ展開はDのみ)
そして肝心のサイズ感ですが、先芯が無いので空間が少なく、ややキツく感じます。
履いていくうちに革が伸びていきますが、冬場に使用する分厚いソックスだと、やや厳しいかなといった印象です...
インナーソールを外せば問題ありませんが、0.5サイズアップでも良さそうな感じですね。

そして履き心地は、先芯が入っていないのとミッドソールがないシングルアウトソールなので、ブーツの自重も他のレッドウィングのワークブーツよりも軽く、ソールの反りが柔らかいのでクセになる気持ち良さだと思うのですが...
とにかく革が硬い!w
クロンダイクは、革の表面に分厚い塗装がされているので非常に硬く、履き始めは全く足に馴染まないなといった印象です。
注意してもらいたいのは、このフラットボックスを履いて、いきなり遠出をするのは、まさに自殺行為...足の苦痛により120%後悔するやつです!
これは相当は強者でも間違いなく泣きべそをかきますw
いや〜これは かなり厳しい"修行"が待っていそうですw
レッドウィングの修行ですが、慣れるまでは近所を散歩する程度にして、ブーツ全体を徐々に自分の足の形にフィットさせていき、革を柔らかくしてからの本格始動をお勧めします。
しかし、この厳しい修行を乗り越えた暁には、自分の足の形を完全に記憶した、まさに快感とも言える抜群のフィット感を得る事ができます。
それがレッドウィングの一つの魅力でもあるんですよね。
○メンテナンス
ブラッククロンダイクの初回メンテナンスですが、軽くブラッシングする程度で、ほぼ必要ないようですw
なぜならブラッククロンダイクは、オイルがたっぷり含まれた革に分厚い塗装が施されているので、しばらくはオイルが抜ける事はありません。
オイルアップ等は、履き込んだ後に茶芯が出てきた時に軽く補充する程度で良いようなのですが、厚い塗装で覆われているのでクラック(ヒビ割れ)が心配です...
なのでブーツの表面は"何らしかのケアはしておいた方が良い"と思うのと、ツルッとした表面のブラッククロンダイクを"磨き倒して光らせたい"と思ってしまうのが正直なところですw
なので次回は、ベックマンフラットボックスの初回メンテナンスを紹介したいと思います。
これにて、ベックマンフラットボックスのレビューは以上となります。
フラットボックスご購入の参考にして頂ければ嬉しいです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!<(_ _)>
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